求められるユーザー目線
数学的で機械的な仕事のイメージがあるWebエンジニアとは違い、Webデザイナーの仕事はある意味独特です。クライアントからの要望に沿ったレイアウトやデザインを追求するためには、普段からユーザー目線でものを見ていることがとても重要です。
Webデザイナーは芸術家ではない
デザインと聞くとどうしてもアートなイメージを持ってしまいたくなりますが、Webデザイナーの場合は自分のセンスで好きなようにデザインすることが仕事ではなく、クライアントの要望に合わせてユーザーが見やすくて使いやすいものに仕上げていくことが仕事です。そのため、デザイナーだから自分の好みで制作できると考えていると、いざ現場で仕事をするようになってから思いがけないフラストレーションを感じることにもなりかねません。サイトの色使いやデザインに自分の意見や好みを反映させるのではなく、指示通りの内容をいかに正確に再現できるかどうかがデザイナーとして最も求められる部分です。ただし、クライアントによってはデザインの指示が漠然としている場合もあります。そのような時にはデザイナーの持つセンスでそのイメージ通りのものを制作するという場合もあります。
ヒアリング力の重要性
Webデザイナーに求められるスキルの中でもかなり重要なのがヒアリング力です。クライアントからのデザインに関する詳細な要望を聞き出して、デザイナーとクライアント双方の頭の中でイメージしているデザイン像が同じになるようにしていくことが理想です。またクライアントの希望が漠然としている場合、ターゲットとしているサイトのユーザーや目的について考えを引き出し、デザイナーから様々な提案をして相談をしながら方向性を決めていくという場合もあります。そのためにもクライアントやサイトのユーザーなど、常に相手の目線からどのようなデザインが有効なのかについて考える習慣を持つ必要があります。
ミスマッチを防ぐために
デザイナーとして意識しておきたいこととして、クライアントが作りたいものが必ずしもユーザーに好まれるとは限らないという部分です。クライアントがより満足できるものを制作していくためにも、デザイナーがユーザー目線から見て思うことを上手く伝えながらクライアントの希望とのバランスを取っていくことも重要な仕事の一部です。そのためには統計的な根拠など説得力のある題材を用いて説明をする必要も出てくるかもしれませんが、多くの人に利用されるサイトやアプリケーションになってこそクライアントの満足につながるということを忘れずに幅広い視野で考え、提案し、集めたものをきれいにまとめて形にしていくよう努めていくことがWebデザイナーの仕事なのです。